わたくしは、麻生ミカリ先生の本が好きでよく読んでいます。
いつ読んでも「上手いもんだなぁ」と、惚れ惚れしながら読んでいます。
展開としては、女性が男性と出会い、恋に落ち、様々な困難に立ち向かって、やがて乗り越え、二人は結ばれる、という、言い方は失礼ですが、決まりきったお話ばかりです。
なのに、どうしてわたくしは、こんなに麻生先生のお話が好きなのか考えていた時、ふと「これは水戸黄門なのではないか」と思いました。
水戸黄門も、最初御老公が悪い人を見つけ、いろいろと策略を巡らし、最後はチャンバラで印籠が出て終わるという、決まりきったストーリーです。
ただこうして書くと、ひどくつまらないお話です。
ですが、水戸黄門は長い間人々に親しまれてきました。
どうも、人々は所謂「お約束」という展開が好きなようです。
先がわかっていると、安心して読むことができますし、これも言い方は失礼ですが、難しい展開もないので、いつでも気軽に読めます。
かいけつゾロリ、名探偵コナン、ナルト、ワンピースも「お約束」が多用されている作品で、かつ、広く愛されている作品です。
それを低俗だ、子どもみたいだ、という人もいるかもしれませんが、わたくしは「子どもっぽい」という言葉を好意的に捉えているので、むしろ褒められているような気がします。
それに、この「お約束」の展開の中で、どれだけ読者、視聴者の心を掴めるかは、作り手の技量の高さに大きく関わると思っているからです。
「子どもっぽい」作品、素敵だと思います。
わたくしのおつむが足りないだけなのかもしれませんが、今の作品は、少し難しすぎるように思うのです。
ですから、麻生先生のようなもっと「子どもっぽい」作品を、わたくしは読みたいのですが、なかなか思うようにはいきませんね。