第一局は渡辺名人が勝った。
あっけなかったというか、完勝というか、お互いに持ち時間を一時間半以上残しての終局となった。
斎藤八段の積極性が裏目に出た形になり、やや暴発したのを渡辺名人が見逃さなかった。
渡辺名人は以前、なにかのインタビューで「タイトル戦はワンブレイクアップを目指しています」と語っていた。
つまり、先手番で勝ち、後手番のどこかで一勝できればOKという構想だ。
確かに、テニスでも6‐4、6‐4は完勝といえる。
それにしてもこの第一局は不思議なほど渡辺名人が上手く指せた。
お互いに「来期は藤井だ」という気持ちが現れたのだろう。
第二局は金沢の「滝亭」で行われる。