逆転

最近、人生に逆転の一手はないのではないかと思っております。

逆に、逆転を許す一手はあるとも思っております。

ここぞで起死回生!というのは、小説、ドラマで散見される場面ですが、それはあくまで架空の話で、人生はそんなに簡単なものではないと思っております。

私の好きな言葉に、羽生善治先生の「将棋はバンカーが多いゲーム」というものがあります。

わたくしは、これを勝手に「人生はバンカーが多いゲーム」と変えてよく人に話しています。

同じパー4のホールでも、アマチュアがアプローチするのと、プロがアプローチするのでは、戦術が全く異なります。

マチュアなら、まずはフェアウェイキープが先決ですが、プロなら、リスクを取ってでも、いいポジションにボールを置くことを狙うでしょう。

つまり、その人の技量によって、人生というゲームは全く異なった内容になるということです。

また、どれだけいってもパー4はパー4なのです。

かなりいいドライブをしたから、急にそのホールがパー5になることなく、パー4で一番いいスコアというのは、ホールインワンです。

これは絶対的なものですし、あとは減点方式でスコアが加算されていきます。

人生というものも、絶対的なものがあって「まあ、これくらいなら」という妥協点を見いだせるかが大切なのではないでしょうか。

調子が悪いならパーを狙う、あるいはボギーでもいい。

しかし、調子がいいなら、積極的にバーディーを狙いに行く。

そんな臨機応変さも大切かもしれません。

そして、18ホール回る中で、5位くらいにいて逆転しようと思ったら、もうそこは1位の人がミスしてくれることを願うしかありません。

いくら自分がバーディーを連発しても、1位の人もバーディーを連発したら順位はどうやっても変わらないのですから。

だらだらと書いてみて、改めて人生は他力、妥協だと感じます。

他力と妥協をうまく使いこなせるかが、満足のいく人生を送るために、欠かせないことなのではないでしょうか。