良いこと悪いこと

世の中は良いことをするのは難しく、悪いことをするのは簡単にできています。

これに良し悪しはないのでしょう。そういうものなのだと思っています。

以前にも書いた気がしますが、羽生善治先生が「将棋はバンカーの多いゲームだ」とおっしゃっていました。

人生も、かなりの選択肢が悪いもので、良いとされている選択肢も、プラスの量としては、僅かなのだと思っています。

ですから、最近は状態や状況が上向かなくても、あまり気にしなくなりました。

そういうものだからです。ここまで割り切ってしまうのはどうかと思わなくもないのですが、実際問題、あらゆる状態、状況を少しでも改善させることは簡単ではないからです。

「メーカーはよい商品を販売してくれさえすればいい。その上で大いにもうけ、テレビに面白さの高度な番組を提供してくれればなおいい。役所の窓口の人は、本心から相手の身になって親切に応対してくれるだけでいい。女店員は客ににこやかであればいい。公共の場所では他人に不快感を与えぬよう、だれもが注意するだけでいい。ことさら社会奉仕など、しなくてもよいのだ。みんなが社会不奉仕的な行為さえしなければ、矛盾は大幅にへるに違いない」

これは、星新一先生の「きまぐれ星のメモ」の「奉仕」の一部分ですが、わたくしには、この実に簡単なことが、大切なことに思えてならないのです。

 

二週間お休みをいただきます。次回更新は5/22日を予定しています