自分でする

「自分のことは自分でしなさい」

誰もが子どもの頃に親から教わった言葉だ。

まあ、家庭とか、学校くらいの狭いコミュニティならこの言葉で十分だが、社会に出たらこの言葉は通用しなくなる。

急に会社が倒産したら、再就職先は自力で探さなければならないし、自分が大きなミスをすれば、責任を取るのは会社だ。

「自分のことは自分で」などということはとてもできないと簡単に理解できるだろう。

はっきりいって「自分のことは自分でできる」というのは社会人としてできて当然のことなのだ。

それにプラスして「他人のことでも自分でする」「自分のことでも他人にしてもらう」ということをできるのが、いっぱしの社会人なのだ。

にもかかわらず、それを理解せずに「自分で自分で」と連呼する人間のなんと多いことか。

社会は自分で完結できるほど小さなものではないということがわかっていないのだろう。

それとも「自分でできる」ことに酔って、社会の大きさ、複雑さに目がいかないのか。

いずれにしても、社会に出てまで「自分のことは自分でしなさい」と声高に唱える連中には「他人のことは他人に任せなさい」というようにしている。

これも、いっぱしの社会人ならできて当然のことだ。

そして「自分のことは自分でしなさいと他人にいうことで、いま自分がすべきことから目を背けているのではありませんか?」ともいうことにしている。