被害者の一番辛いことはなにか。
それは、被害に遭う前の生活の戻るために一番努力しなければならない人間であるところ。
と、妾は思うのだがどうだろう。
タイトルに名探偵コナン症候群と付けたが、コナンで扱われている被害は被害者の人生で見るとほんの一部だ。
被害に遭って、犯人が見つかり、警察に捕まる。
そこまでしか描かれない。
ただ、被害者にもその先の人生があるのだ。その被害を一生抱えたまま、生きていかなくてはならないのだ。
そして、コナンで扱われている事件と同様に、現実の世界で被害に遭った人々の事件というのは、どれも重いもので「ま、これくらいならいいか」と、被害者が思えるような事件は皆無だ。
被害に遭ったのが苦しくて悲しくて悔しくて。その思いに耐えかねて自殺する人も少なくない。
そんな中を三十年でも五十年でも生きていくのは簡単なことではない、というのは想像に難くないだろう。
それを、多くの人は見落としている。犯人が捕まればめでたしめでたし、とはいかないのが現実なのだが、どうもアニメの見過ぎなのか、そこまで頭が回らないらしい。
だからこそ、妾は「病気」と呼べるカテゴライズの「症候群」と名付けたわけだが。