メールのネタ

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、わたくしは今、9つのラジオにメールを書いている(自分で書くのは恥ずかしいものですが)メール職人です。

月平均で10~15通のメールを書いています。

どうやったらそんなにメールが書けるのですか、と昔のわたくしなら興味津々で訊いていたでしょうが、たくさんメールを書くのになにか秘訣やコツがある、というわけではありません。

ただ、日々あったことを淡々と書いていく。

それだけなのだ、とある時から思うようになりました。

もちろん、昔はわたくしにも「ネタ帳」なるものもあり、日夜苦心していたものでございますが、今では机に向かい「さて、なにを書こうかしらん」と思えば、15分~30分でそれなりのメールが仕上がります。

それを一日寝かし、再度推敲をして投稿する。

これが、今のわたくしのメールを書く手順になっています。

毎回苦心惨憺で、なんとか一本書き上げている、ということはありません。

稀、といって差し支えないでしょう。

羽生先生でしたか「30分で答えが出なければ、あまり良い状態ではない」とおっしゃっていました。

わたくしはメールを書く時も僭越ながら、似たようなもの、と思っております。

やはり、良い時はすぐにネタが思いつき、さらさらと流れるように書けるものです。

逆に、悪い時はいくら経っても思いつかず、考えているというよりは、迷い、悩みの類になってしまいます。

「書く」という作業は、零から考えるのではなく、7~8割は直感や経験で導き出せて、そこから思考の出番、というものではないでしょうか。

将棋にせよメールにせよ、この一枚、一局に己のすべてが懸かっている、というのはあまりありませんし、それよりもある程度の力を維持したまま10年、30年と続けていかなければならないものでございます。

それならば、その行為をどれくらい長続きさせられるかに主眼を置くことが、差し当たり問題にならず、また結果の出る考え方だと思います。

そして、それは人生にも通ずるものがある、と事を大きく構えて、今回は筆を置いてみる次第です。