2022-01-01から1年間の記事一覧

見えている景色

仮に羽生善治先生と私が同じ将棋盤を見たとして、その将棋盤は二人の目にまったく同じように映っている。 羽生先生が見た時だけ、香車が浮き上がる、なんてことはない。 だが、見えている景色はどうだろう。 見ている景色が同じなのだから、私も羽生先生に三…

御勤め多忙につき今週は暇を頂き候。

第80期名人戦 第二局

第二局も、渡辺名人の勝利となった。 盤石というか、中盤でリードを保つと、そのまま寄せ切ってしまった。 これで、渡辺名人が目指しているワンブレイクアップができたわけだが、これは斎藤八段が精彩を欠いているというより、渡辺名人が強すぎるのだろう。 …

ピアノ

名古屋ゲートタワーにあるピアノを弾いたが、散々たる様だった。 聴いていた人は、さだめし不愉快な思いをしたことだろう。 グランドピアノに練習不足はごまかせないのだ。 妾はピアノをし始めてもう20年以上になる。 小学一年生の時、ピアノ教室に通い始め…

第80期名人戦 第一局

第一局は渡辺名人が勝った。 あっけなかったというか、完勝というか、お互いに持ち時間を一時間半以上残しての終局となった。 斎藤八段の積極性が裏目に出た形になり、やや暴発したのを渡辺名人が見逃さなかった。 渡辺名人は以前、なにかのインタビューで「…

付き合い方

妾は好きな人とだけ付き合っていきたい。 それではいかんと誰かがいいそうだが、好き嫌いできるのはなんであれ豊かさの象徴だ。 それをいけないというのは、貧しさを甘受することなので、気乗りしない。 好きな人とだけ関わっているほうが、ストレスが少ない…

○○力

決断力直観力注意力行動力etc. これら「○○力」と付いたものを持っていない人間が、普通の人間なのではなかろうか。 決断もしなければ直感も働かず、注意力は散漫で行動力に欠ける。 ここまでくるとバカといいたくなるが、普通の人間とバカは同義なのかもしれ…

責任

責任を負うことが恐い人が九割九分であることにある時気付いた。 どうもそういう人種は「責任を負う」ということが、死よりも恐いらしい。 なにか得体の知れないものは、まず恐がり避け、なるべく自分のところへ寄らないようにするのがそういう人種の生存戦…

正しさ

正しさと神はよく似ていると最近思った。 「神に祈れば助けてくださる」と「正しい行いをすれば上手くいく」は同じだと思ったからだ。 神を信じる者にとっては神が、それ以外の者にとっては正しさが生きていく上では欠かせないピースなのだろう。 この世のほ…

第80期名人戦

今年も名人戦の季節がやって来た。 渡辺名人に斎藤八段が挑戦する去年と同じカードになったが、はたして。 今年は観戦記をつけてみたい。 ソースはきちんとしたところから引っ張ってくるつもりだが、万一違反などがあれば注意していただければ幸いだ。 一回…

成長

成長はコントロールできるものなのだろうか。 妾もいろいろと成長してきたが、コントロールできたものは一つも無い。 身長も、知識も、筋肉も、将棋も、文章力も。 構想通り成長したものは一つとしてない。 成長というのは、予測不可能なのではなかろうか。 …

助け合い

助け合いは美しいことだが、それを美化しすぎてはいけない。 ある程度他人に依存するのはやむを得ないとして、人間は基本的には一人で生きていく生き物なのだから。 医者に頼れることはありがたいことだが、医者に頼ってばかりいては自立した生活とはいえな…

一所懸命

「一所懸命に仕事をしていない。もっと早く仕事ができるはずだ」と、上司を通じて同僚に言われた。 「それは妾の仕事のどれをどのくらいですか?」と返した。 「妾の仕事は、これとこれとこれとこれとこれです。これら全部を早くしてほしいわけではないでし…

ブルーカラー

飲食はブルーカラーだ。 妾の短期目標の期間は、だいたい一週間になっている。 それ以上は、立てても意味がないのだ。 土曜の仕込みを、月曜にやっても仕方がないように、その日暮らしとまではいかないが、近いところで仕事をしているのが飲食という仕事だ。…

ユニクロ

シンプル。だけど非凡。 ユニクロのキャッチコピーにこんな言葉が使われていた。 ユニクロが徹底した市場リサーチをしている、という前提に立つが、シンプル=平凡、という群集心理がそこにはあるのだろう。 凡極めれば凡ならず、とは私の考えた言葉だが、群…

折節

折節の移り変わるこそ、ものごとにあはれなれ。 無事、テスト週間が終わり、束の間のバカンスを楽しんでいる。 といっても、職場のおバカさんの対応に難儀している今日この頃だが。 まあ、それ以外は至って平凡な毎日だ。 少しずつ日脚は伸び、寒さも幾分和…

まん延防止等重点措置

先週から、まん延防止等重点措置が適用された。 知人に「来週には緊急事態宣言が出るよ」と豪語してしまったが、調べたところその可能性は低く、現在冷汗三斗の状態が続いている。 飲食系で働いている私としては、まん延防止等重点措置が適用されると、体感…

勘どころ

高川格先生の「上達の勘どころ」に「布石の勘どころをつかむ鍵も要するに合理的な考え方のなかにあるわけです」と書いてあった。 「つまりだね、君は合理的な考えができとらんわけだよ」といいたいわけだが、本因坊九連覇の大棋士の合理性を妾に求められても…

パワハラ

先週はなかなかにハードだった。 一月二日からの四連勤、パワハラへの対処、大学のテストの準備。 これらを一週間でこなしたのだから、妾もご満悦である。 パワハラは長期戦になるかと思いきや、一週間もかからず収束の目途が立ったので、助かった。 何事も…

独り暮らし

今年から、私は独り暮らしを始めた。 この書き出しからもわかるように、今年は日々のありふれたことを書いていきたい。 ブログを始めて二年が経ち、そういうものはやってこなかったが、ネタも少なくなってきたし「まあ、エッセイはこんな感じかな」というの…

田中涼子

このテーマを書くのは、気が重い。 この世で一番愛している女性のことを書くのだから、私の執筆人生のすべてを使ってでもいいものに仕上げたいし、見返した時に「なんと馬鹿な」となっても嫌だ。 だから、今まで意図的に避けてきたが、本格的に応援するにあ…

社会人基礎力

社会人基礎力というのがある。 私はどうも、これが嘘ものであるようにしか思えない。 偏差値ですら、○○を勉強すれば××の大学へは進学しやすい、ということがいえる。 社会人基礎力で、そういう話はきかない。 なにをすれば、どのグラフが上がるのかが書かれ…

杜子春

祖父はよく、私の母、つまり娘に芥川龍之介の「杜子春」を読み聞かせたそうだ。 「杜子春」は、杜子春という若者が、いろいろあって、仙人になる修行をすることになる。 所謂、無言の行というやつで、岩の上に座って、一言も喋ってはいけない。 それを見てい…

戸惑い

最近、星新一先生のエッセイを読んでいる。 そして、こんなにいいものが、私にかけるのだろうか、と戸惑っている。 そこで思った。 この戸惑いは、どこからやってくるものなのだろうかと。 河合隼雄先生は「嫉妬は、可能性の発露だ」といった。 自分にできる…

AI

ぼちぼち小説を書いている身としては、AIの存在がとても気になる。 もうAIは、人間の文章力を越えている。 当たり前のことだが、そのAIをどれくらい使うことが許されるのか、というルールはまだ明確にはない。 例えば、私がAIだけを使ってある賞に傑作を応募…

0秒03

2013年、桐生祥秀選手は10秒01をマークした。 この時、誰もが日本人初の9秒台を期待したものだ。 だが、桐生選手は9秒台を出すのに4年、足踏みすることになる。 この間、桐生選手はまったく練習しなかったのだろうか。 もしそう思う人がいるなら、ぜひお目に…